カフェ フェ デ フルール
妖精の名前を持つ山の中腹には、花の名前を持つ女主人の経営するカフェがあるのです
彼女が毎朝、敷地内の畑で摘むハーブは麓の村でも大人気
今日もカフェの開店が待ちきれなくて、外に並べてある椅子に座り本を読んでる常連さんがいます
お茶を飲みに来た人の顔色を見れば、その日の体調をピタリと当て
オリジナルのハーブティーが、目の前に運ばれてきます
美味しい料理とハーブティーがカフェの・・・いえ、村の皆の自慢なのです
彼女の歌声が辺りを包めば、鳥たちも一緒に囀(さえず)りだす
素敵な大合唱に皆が大喜び
カモミール、ルイボス、ペパーミント♪
ラベンダーにローズヒップ、ジンジャー
ラズベリーリーフは妊婦さんたちに大人気★
ブレンドは初心者にも飲みやすく~♪
通にお勧めするのはシングルです~♪
麓の村に行って耳をすましてごらん
子どもたちの口からも同じフレーズの歌が聴こえてくるでしょ?
テラスで居眠りしている老人の口元に耳を寄せれば、そこからも同じフレーズのつぶやきが聞こえてくるのです
ハーブの歌とともに笑顔になる村人たち
ねえ皆はどうしてこの歌をおぼえたのかしら?
草原を吹き抜ける一陣の風が、ハーブを摘んでる女主人に声をかけます
「こんにちは!フェ・デ・フルール」
「こんにちは~、シルフィード!今日も素敵な風をありがとう~」
シルフィードの作り出す風にのり、女主人の歌声が花畑から草原へ
そして麓の村にいる人々の耳に~
名産物がなにもなく、ちょっとばかり寂しかったこの村が、ハーブで有名な村になるのはもう少し先の話なのです
寂しそうな村を元気にしたくて草原に住み着いた、フェ・デ・フルール(花の妖精)は村人たちの心の健康にも貢献しているんですよ~
END
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