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私はエル子
家が目的で作られた女
世間では
酷い!私の身体が目的だったのね!
とか
私のゴールドが目的だったのですか!?
など、よくある話
そーなの?
し~、みくるん
新人さん、復帰者さんしかいないこの9鯖でも
初期服を着ているのは私だけ・・・。
みんな良いな~
素敵なお洋服を買ってもらって・・・。
家を目的に作られたエル子の扱いなんてこんなものよね・・・。
自嘲のため息が溢れてしまう
そんな私に、ドラキー(と言い張る生き物)が素敵情報を教えてくれた
なんでも現在、開催中のイベントがあるらしい
でも私にはイベントに着ていく服がないの・・・。
私は家を作成するのが目的の為に作られたエル子なので・・・。
躊躇する私にさっきよりも心持ち身体が大きくなった
ドラキー(らしい生き物)が、現地に行けば衣装を貸し出していることを教えてくれた
それならちょっとだけ行ってみようかな?
なんとなく興味を惹かれたので、さっそくアズランの町に向かう
う~ん・・・男性がいるはずなんだけど・・・。
どこにいるのか?
街の中を散々歩き回って、ようやく目的の男性を見つけた時には日が傾いていた・・・。
やぁ~、僕に会いに来てくれたんだね
キミを待っていたよ~♡
歯が浮くようなセリフはチャラかった・・・。
さあ、キミを素敵な場所に案内したいんだ
僕とキミ
二人の合言葉を言ってくれたまえ♡
貸衣装が気になる私は、大きな声でドラキー(には見えない生き物)から聞いた言葉を叫んでいた
ハッピーバレンタイン!
自分が思っていたよりも大きな声がでてしまった
恥ずかしすぎる・・・。
そんな私の姿にチャラ男はクスッと笑っていた・・・。
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チャラ男・・・いえ、男性に案内されたのは、とっても可愛いお城だった
美味しそうなイチゴにクリーム・・・。
こんなキレイなお茶菓子は初めて見たな
食べてもいいのかしら?
ウットリと美味しそうな周囲を見回している時に気付いたの・・・。
私が着てる衣装
エルフの初期服・・・。
ここに似合わないのでは?
自分の姿が恥ずかしくなって視線を足元に下ろす
早く貸衣装を借りたい・・・。
どこにいるのかわからない人を探すために私は走った
道すがらに聞いた話によると、私が探している人物は
クビレがある白くて大きな
ボン、キュッ、ボンらしい
クビレ・・・白い・・・ボン、キュッ、ボン・・・。
もしかしてあなたのこと?
大きさが足りないかな?
一応、念のために雪だるまに話しかけてみる
返事がない、ただの雪だるまのようだ
・・・。
雪だるまに話しかけてる人はだあれ?
・・・。
気を取り直して周りを見ていると誰もが奥の方に向かっている
私もあっちの方に行ってみよう
どうやらこれが正解だったようで
ボン、キュッ、ボンを発見してしまった
近づくと視界からはみ出るその姿
同じ女性として負けた気分になってしまった
神は自分の姿に似せて我らを作った・・・。
お目にかかったことは無いけれど私にはわかる
エルフの神様は・・・・・ちっパイ・・・。
慌てて左右に首をふる
ゴメンナサイ!エルドナの神様
私はな~んにも考えてません
まるで信号のようにコロコロかわる私の顔色にオバサンが怪訝な顔を向けてきた
素晴らしく大きなボンをお持ちの、このオバサンが可愛い衣装を貸してくれるらしい
もちろん、ただでは貸してくれない
世知辛い世の中だ・・・。
願いを叶えてあげる引き換えに借りた衣装
どうかな・・・?私に似合うかな・・・?
初期服以外を着るのは初めてなので緊張してしまう・・・。
この衣装を着てオバサンの頼みを解決するために現地に行こうとして気付いたの・・・。
私は家が目的で作られたエル子
ドルボに乗れなかった・・・。
クエストをやってなかった・・・。
神様・・・こんな私でもオバサンの頼みを解決できるのでしょうか?
オバサンが早く行けと睨んでる気がする・・・。
エル子怖い・・・。
オバサンから少し離れてみた
カボチャが何か言いたそうに見てるけど、オバサンの眼力が強すぎて近寄れない・・・。
大丈夫・・・山間の関所まで飛ばしてもらえば
そこはイナミノ街道だもの
頑張って走ります
走り屋エル子と呼んでください
イナミノ街道をカムシカのように駆け抜け目的を達成した私
敵が登場すれば必殺技のエル子キックでぶちのめした
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頼みをなんとか解決して、あの可愛いお城に戻るとオバサンが駆け寄ってきた
全て解決したことを伝え、借りた衣装を返そうとしたけど
衣装から漂う、ちょっと酸っぱい香りにオバサンの顔が歪む
イナミノ街道で走りすぎてしまったかな?
汗とエル子汁が結晶化したものが衣装にたくさん付着していた
それはマニアが欲しがる一品です
金策にどうぞ
オバサンは首を傾け鼻を右手で押さえた
「これはアナタの物だわ、衣装ごとあげる❤」
とウインクまでしてくれた
彼女は優しいおばさん
もとい
素敵なお姉様だった
おばさんなんて言ってゴメンナサイ
この素敵な服を着て私は自分の家に帰ったの・・・。
でも素敵すぎるお洋服は
草がボウボウに生え、雨漏りの水が溜まったこの家に・・・。
洞窟には似合わなかった・・・。
お洋服が可愛すぎたわ・・・。
キラキラした可愛いお洋服を脱ぎ、いつもの初期服に着替える私
なんだかホッとする
この家には初期服が似合うわ
帰りがけに買ってきた豆大福を食べようかな
ほうじ茶を入れましょう
私が生まれた目的は家のため
こんな粗末な家でも住めば天国
降り注ぐ自然光のお陰で電気代も安くすむ
雨漏りの水はお風呂代わりにちょうどいい
下に生えてる草は食料にもなるんだもの
この生活も悪くない
私はエル子・・・貧乏生活も悪くないわよね
せめて1年に1回でいいので
新しい初期服を買って欲しいな
エル子ちゃん!それでいいのですか~?
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ねえねえ、みくるん
この家って凄くお金がかかってるよね?
うん
メッチャ課金してるよ~
ゴールドもたくさん送ってあげてるよ~
この垢で1番お金を使ってたよね?
うん!可愛い娘だもん☆
エル子ちゃん、エル子ちゃん❤
気づいて!
アナタ凄く愛されてますよ~